知らない

流行りに疎い。

 

アニメもファッションも芸能人も音楽も何もかも疎い。大抵流行が一周して世間の熱が落ち着いた頃にその存在を知る。

 

私は器用ではないから沢山の流行りをネットの波から掬っていく作業が苦手だ。複数のものに少しずつよりも、一つのものに多くの熱量を費やしたい。

 

某アニメが流行った時も、存在は知っているが観たことはないという状況だった。

それを知った知人が私に「えー知らないのー?ありえないよー!そんなの非国民だよ!」と言い放った。

なんだかその言葉の強さに面を食らった。

 

流行っているんだから当然のようにみんな知っているだろう、面白さを共有したいと、多分そう思ったのだろうが、その言葉に少しショックを受けて何も言い返せなかった。

 

そんなこと言われたら興味が湧くどころか意地を張ってしまい余計に知ろうという意欲も努力する気もなくなってしまう。それは私の意固地なところも悪いとは思うが、そう思う人も少なからず居るのではないか。

 

そんな深く考えて発した言葉じゃないのはなんとなくノリでわかる。でも、やっぱり悔しい。

そんな言い方されなければ私も興味を持って調べて楽しんで教えてくれた人と共有するのになあ。

 

まあ、あの、モルカーっていうんですけど、モルカーなんですけど。知ってたけど見たことなかったし結局ムカついて観てません。モルカーに罪はない。あ、今、「モルカー観たことないの〜?え〜〜〜???それは流石にやばい(笑)」って思ったでしょ。そうだよ観たことないよ!

 

その人が、モルカー命!魅力を世界中に知ってもらいたい!!と思ってるわけではなく、流行の中の一部を語ってるということだってわかってる。

 

だから少し話がずれるけど、

 

私も自分がいいと思ったことはいろんな人に魅力を知ってもらいたい、あわよくば好きになってもらえたら嬉しいと思う。でも自分が知っていて相手が知らないことがあったときに相手を貶めるような言い方はしたくない。寧ろ知らないのなら今から沢山いいところを知ってくれよ。今がまっさらな状態であることを羨ましいとすら思うかもしれない。まっさらなキャンバスじゃん最高だな??って。

 

知らないことは罪?

いやいや。みんな何も知らないところからスタートするでしょう。自分はなんでも知ってるみたいな気にはなるなよ。と、ね、思った。自戒も込めて。

 

アニメにしてもファッションにしても芸能人にしても音楽にしても好きになってもらいたいなら相手を思ってプレゼンするような、そういう感覚でいないとと思うし、それと同時に好きなものに恥じない自分でいなきゃいけないと感じる。

 

私ね、星野源さんが好きなんですけど(ここ読んでる人みんなご存知かと)、とりあえず音楽聴いてくれよ。それだけで魅力は伝わるから。いや、丸投げしてるわけじゃないよ。いつかあなたが聴いてくれたらその時に語り合いましょうよ。

 

好きなものの、好きな人のファンとして、恥じない振る舞いをする自分でいたい。