YELLOW DANCERに人生狂わされた話。
高校2年生の11月のある日。
朝の情報番組から流れてきた「SUN」のMVに釘付けになった。
確かその時の話題は「SUN」のMVがソロ男性アーティスト初の何冠だか獲ったみたいなそんな話題だったと思う。
楽曲とMVの明るさ、そしてどこか切なさを纏った雰囲気に惹きつけられ、一気に虜に。
その日のお昼休み、わたしはYouTubeで片っ端から彼の楽曲を聴き漁った。
帰宅してからも彼の存在、彼の音楽が頭から離れず、とりあえずとにかく調べる。
どうやら一週間後にアルバムが出るらしいということ、そして近々ラジオをやるらしいと知った。これはチェックせねば、と。
ラジオの放送日はアルバム発売日の数日後で、アルバム内の楽曲が数曲流れた。
中でもわたしは「Soul」のカッコよさに痺れた。ずっとアイドル(に近いアーティスト)を応援してたわたしにとっては衝撃的で。なにこれ...今まで聴いたことない、なにこれ....!
この曲を聴いて完全にアルバムを買うことを決意。CD屋を駆けずり回ることになるのでした。(どうせなら初回盤が欲しいからね。いろんなCD屋さんまわったよ。)
わたしは今迄も好きなアーティストや俳優がいた。だがこんなにもスピーディにファンになることは過去一度もなく、大半はじわじわと半年ほどかけて完全なるファンになっていた。いつもはYouTubeでかなりの時間をかけて楽曲をチェックし、それからCDを買う。
だから今回の行動力は自分でも驚くほどだった。
それからは毎日聴いた。それはもう大事に大事に毎日聴いた。
22年ぽっちしか生きていないわたしがこんな表現を使うのもなんだが、当時のわたしは今までの人生で一番精神的に追い込まれ、辛かった。
毎日どこにいても死が頭をよぎる。
正直音楽を聴いているどころではなかったし、何に対してもやる気が起きない。辛い。死にたい。理由もなく泣けてくる。
なにもかも投げ出して居なくなりたいとかそんなことばかり漠然と思っていたりして。
そんなときに、彼の音楽を知った。
高校2年生の11月。
11月26日
あのアルバムを買ってから、一人の時間は殆どアルバムを再生していたように思う。
通学中。
お昼休み。
帰宅後、部屋で一人。
泣きながら再生し続けた。
家の最寄駅に着くとまず「時よ」を再生する。
ああ、1日が始まる、って。
「Week End」が流れ始めると週末までの日数を指折り数えてなんとか希望を保とうと思えた。
「SUN」は寂しさを感じているわたしに寄り添ってくれる、寂しい曲だった。
「夜」の歌詞の、リスナーとの距離の近さにいつも泣かされていたし、
「Friend Ship」でさよならしてもまた「時よ」で出会いがあって、未来があって。そこからまだまだいろいろなことが始まって続いていく。
このアルバムには希望と未来が詰まっていた。
もういい、明日こそ消えてしまおう。
明日こそ居なくなってしまおう。
明日こそ、明日こそ、手を打とう。
そう思っていたのに。
こんな音楽に、人物に出会ってしまったら
人生辞められないではないか。
中途半端に諦めてお終いになんてできないではないか。
これからももっとたくさんの音楽に出会いたいと思ってしまう。
ああ、わたしの人生は狂った。狂わされた。くそ。死ねない。まだ、まだ。
こうなったらとことん粘ってやる。
粘って粘って粘り強く死なないでいてやる。
寒くなってくるこの時期になると思い出す。
この時期になると感じる。
YELLOW DANCERの季節だ。
そろそろ始まるなあ。冬。