ハッピーエンド

ハッピーエンドってなんだ。

ここ数週間、ずっと考えている。

 

今期、唯一観ているドラマ「MIU404」

 

最近私の脳内を占拠しているドラマです。笑

 

そもそもそんなにドラマは観ないのですが、今まで観た中でもとっても心地の良い物語だなあと感じています。

 

救いと突き放しのバランスが絶妙なのです。

 

誰にってのハッピーなのだろう。

 

どこかで誰かが幸せになるとき、

またどこかで誰かが不幸せになっているかもしれない。

 

それが、“その幸せ”が作用して、スイッチになってということなのか、そうではないのか。その相互関係はわからないけれど。というよりも、場合によるけれど。

 

世の中の多くの人が認識する“ハッピーエンド”って、ハッピーになった人の周囲のことには目を瞑っている状態なのでは、と思うわけで。

 

ひねくれ大魔王(笑)のわたしは、あまりにも綺麗な物語だと「なんだかなあ」と首を傾げてしまいます。(じゃあドラマをみるなって話なんですけれども)

 

(あ、あ、ディズニー映画だったり、ドラマの中でももう明らかに「楽しいですよ〜!」「ハッピーな物語ですよ〜!」と最初からわかっているエンタメ!っていう作品は全然、むしろ好きなんですけどね!)

 

結局のところ誰を軸にみているかっていう話にはなるんですけど、幸せが生まれる背景に誰かが被っている不幸があることを忘れちゃいかんなと思うのです。

 

そういう意味でメインのキャラクターだからといって関係なしにいつも絶妙なバランスで飴と鞭のように光と闇を見せて、突きつけてくるMIUには心地よさを感じるんです。

 

光を見て安心しては、また容赦なく闇を見せて突き落とされるの繰り返しでして。

 

わたしはむしろ光を見すぎると「ええ〜ハッピーすぎるよ〜〜!なんかそれじゃあわたしが報われないよ〜〜〜!!」みたいなものすんごいひねくれた思考に走ってしまうのですよ。笑

 

だからその後に闇を見て、ああ現実ってそうだよなあって安心するんです。

 

いや、あの、そうですよね、エンタメって楽しくハッピーにさせるものですよね、現実を見させるものではないですよね、ドキドキのさせ方とかも沢山あるわけだし!わかってるんです!

 

もちろんMIUのキャラクターたちには幸せになってほしい。1人残らず。でもわたしが見ている世界は画面に映っているその世界だけなわけで、想像力を働かせたら画面の外にはその他にも沢山の人が存在していて、見えていない世界が広がっているんだよなあって。もちろんあくまでフィクションの物語ですけど。なんだか、MIUはフィクションに思えないんだよなあ...。

 

目を瞑ってしまったその先に存在する人たちにとって、なにがハッピーエンドなんだろうって考えてしまう最近なのです。

 

それと同時に、純度100%のハッピーだけを抱えて生きていくなんて無理なんだよなって思ったりもして。

 

6話で志摩の過去を観た時、なんか釈然としないなと思ったんです。

結局「香坂が亡くなった原因は志摩の勘違いでしたー」で終わりじゃん!解決じゃん!!志摩救われたじゃん!!(良いことなのだけども笑)ってなってしまいまして。

ええー、なんだかなあ...ってひねくれ大魔王がひょっこり顔を出してきました。

 

わたしに映像の読解力がないから。

 

でもいろいろ考えて、やっぱりこれから先も志摩には志摩の、ずっと抱えていかなければならないことがあるのだよなあと気づいてから、「あ、これはフィクションではなく現実だ。」と思いました。伝われ。

 

亡くなったから気づいたこと

でも亡くなったから伝えられないこと

 

それは亡くならなかったら気づかなかったことなわけで。無情だ。

 

志摩の言葉、存在は確実にスイッチになって香坂の人生に絡みついていた。

 

たとえ直接の原因でないにしろ、そのひとつひとつの言動がやっぱりどこかで作用していて。

 

それを抱えて生きていくんだよな、と。

 

それにやっとこさ気づいてから、好きな話になりました。とさ。

 

あと。

 

「ハッピーエンド」

「バッドエンド」

ってなにをもって終わりなのだろうって考えたらまあそりゃあ私たちの目で確認できる物語のラストが「エンド」なわけですが、これから先も、私たちの目視できない場所で彼らは生きていくわけじゃないですか。なんか勝手に終わらせちゃうの、悲しいし寂しいし野暮ではないか。と勝手に思ってしまったりして。

 

もちろんフィクションなのでね(二回目)。そりゃあお前の中で勝手に物語続けとけや!志摩でも伊吹でも心ん中で生かしとけや!って話なんですけども。笑

 

「刑事じゃなくてもお前の人生は終わらない」

 

という言葉のように、

これから先も彼らは進んでいくんだよなあ。って。星野源が志摩一未を、綾野剛が伊吹藍を演じる役目を終えたとしても。

 

エンドはエンド、間違いなく最終話が終わったその時がエンドなのですけどもね。

 

んー。なんだか、勝手に終わらせたくないなあなんて、ね。思ったって話です。

 

なんだか話があっちこっちいって収集つかなくなってきたなあ。

 

おわり!